全校研究

 研究テーマ

 「児童生徒の確かな学びをつなぐ カリキュラム・マネジメントの確立を目指して-明日の授業につながる附特
システムの構築-」

 テーマ設定の理由

 第15期研究においては、学年間や学部間のつながりのある教育を目指していくために、授業計画や授業評価だけでなく、年間指導計画や単元計画やその評価、さらに教育課程の在り方等について検討を深め、それらを学校全体で共有していきたい。学校全体でカリキュラム・マネジメントに取り組み、それに基づく教育実践に取り組むことで、今の学習から次の学習へ、次の学年へ、次の学部へと確かな学びをつなぐことができるのではないかと考えた。確かな学びの積み重ねにより、児童生徒一人一人が自己の能力を高め、将来豊かに生きるための力を身に付けることができるのではないかと考えた。

 研究目的

 本校のカリキュラム・マネジメントを推進し、児童生徒の確かな学びをつなぐ授業実践を行う

 研究方法

 (1)「附特システム」の構築とカリキュラム・マネジメントの実践
  1. 1.カリキュラム・マネジメント構造図、カリキュラム・マネジメントフロー図を作成し、本校教育計画の流れを整理
  2. 2.カリキュラム・マネジメント構造図を構成する各要素について検討し、様式等を整理
  3. 3.カリキュラム・マネジメントフロー図に各検討会を実践
 (2)児童生徒の確かな学びをつなぐ授業実践
  1. 1.各教科の目標及び内容を明確にした授業実践
  2. 2.目標設定から評価及び評価の生かし方を明確にした授業実践

 

研究報告

 

 テーマに沿って研究を進めていく上で、カリキュラム・マネジメントの捉えについて共通理解する必要があると考え、検討を行った。

「佐大附特システム」とはカリキュラム・マネジメントを推進していくためのシステムだ

 が、以下の3つで表すこととした。
 

〇カリキュラム・マネジメント構造図について
 

 本校のカリキュラム・マネジメントの概要を表すものとして検討・作成した。 

                 カリキュラム・マネジメント構造図(図1) 

〇カリキュラム・マネジメントフロー図について

  カリキュラム・マネジメントを推進するにあたって、「だれが、いつ、何をするか」を年間を通して表すものとして作成した。 

       カリキュラム・マネジメントフロー図(図2) 

 

〇カリキュラム・マネジメントの構成要素となる各計画について

  第15期研究では,年間指導計画 ②単元計画及び評価 ③指導案 の様式等の検討を行った。
  

 ①年間指導計画 

   年間指導計画とは、学年ごとに、4月から3月までのどの時期に、各教科別の指導あるいは各教科等を合わせた授業においてどのような単元(題材)を配置するかを表した教育計画である。小・中・高の学びのつながりをねらって、同一の様式とすることとした。

 

       リンクして様式を開く 小学部年間指導計画様式(図3)
 

                  中学部年間指導計画様式(図4)
 

                  高等部年間指導計画様式(図5) 

 
   年間指導計画の記入は、以下のように行うこととした。
 

       年間指導計画記入の仕方(図6) 

 

   年間指導計画の作成、見直し、評価については、カリキュラム・マネジメントフロー図に沿って行った。特に次年度の年間指導計画の作成については、今年度の評価を基に次年度の作成ができるように流れを整理し、児童生徒の実態を把握している現担任団と、次年度の行事や学習について把握している上学年学部の職員が合同で行うようにした。

 

 

 ②単元計画及び評価 

   単元(題材)のねらいや学習活動の計画及び「児童生徒一人ひとりがどのような力を身に付けるのか(育成を目指す資質・能力)」という単元の個人目標を記入する単元計画と、その評価について様式の整理を行った。  

       単元計画及び評価 (図7)
 

   単元計画及び評価を行うことで、年間指導計画の見直しや評価に生かすことができた。また、年間指導計画を作成する際には、個別の指導計画の目標に迫る単元(題材の設定を前提としているので、個別の指導計画の評価にも生かすことができたと考える。 

 

 ③指導案

   ②の単元計画の部分に、「単元について」と「本時の学習」及び「評価シート」を加えて指導案様式を作成した。「本時の学習」の中では、単元の個人目標を基に本時の個人目標を設定するするが、育成を目指す資質・能力の3つの柱「ア 知識・技能の習得」「イ 思考力・判断力・表現力の育成」「ウ 学びに向かう力・人間性等の涵養」も記入するようにした。「評価シート」では個人目標の評価に加え、「主体的・対話的で深い学びができたか」という授業改善の視点で授業を振り返る項目を設けた。
 

         指導案(図8) 

 

「児童生徒の確かな学びをつなぐ授業実践」については、学部研究の中で報告する。 

 

成果と課題 

 第15期研究においては、本校のカリキュラム・マネジメントを推進していくための佐大附特システムの構築に取り組み、成果として研究報告に示すことができた。しかし、この取り組みによって児童生徒一人ひとりの確かな学びを育成することができているかの検証までには至らなかった。また、日々運用していくためにシステムの改善が必要であるとの課題があげられた。第16期研究において、佐大附特システムの改善と児童生徒の資質・能力の育成の検証に取り組み、本校カリキュラム・マネジメントのさらなる推進を図りたいと考える。